広がるメロディ、広がる音楽。連なる音は世界中へと注がれてゆく。
カウンター
プロフィール
HN:
八城 友
年齢:
34
性別:
男性
誕生日:
1990/04/17
職業:
フリッカースペード→フリッカークラブ
趣味:
歌うこと、音を聞くこと、本を読むこと
自己紹介:
ここはWT2シルバーレインのキャラクター『八城友』のキャラ(&背後)ブログです。興味のない方、分かる気のない方は回れ右でお願いします。
●カテゴリ説明
・にっき。:友の日記。
・うた。:背後が思い浮かんだ歌などをつらつらと。また、アーティストの紹介なども。
・追憶:友の過去話など(コメント不可)。
・馳想:友が今考えていることなど(コメント不可)。
・背後日記:背後に関するもの。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
この作品(画像)は、有限会社トミーウォーカーの運営する『シルバーレイン』の世界観を元に、
有限会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権は作品を発注した八城・友に、著作権は作者様自身に、全ての権利は有限会社トミーウォーカーが所有します。
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・にっき。:友の日記。
・うた。:背後が思い浮かんだ歌などをつらつらと。また、アーティストの紹介なども。
・追憶:友の過去話など(コメント不可)。
・馳想:友が今考えていることなど(コメント不可)。
・背後日記:背後に関するもの。
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この作品(画像)は、有限会社トミーウォーカーの運営する『シルバーレイン』の世界観を元に、
有限会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権は作品を発注した八城・友に、著作権は作者様自身に、全ての権利は有限会社トミーウォーカーが所有します。
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汗を、拭う。
車のライトが流れる道の脇で、ふぅ、と小さく息をついた。
「高校は出ときなさい」
そう言われたのを思い出す。
だがこの現実はどうだろうか。
自分の夢の為とは言え、出席日数も全く足りない。
とうとう2年になってからは月に一度クラスメイトと顔を合わせるかどうか、と言う始末だ。
出席日数に関係なく、進級できる。
そう気付いたのは二年になってから。
一年の頃、足りなくて留年するかとビクビクしていたものの、蓋を開けてみれば何の問題もなく進級していた。
そうなってしまえば、後はずるずると流れていくだけ。
所詮人間だ。楽な方がいい。
興味のない勉強よりも、一歩ずつでも夢に近づける方を選んでしまう。
警備員からコーヒーを受け取り、礼を言う。
顔なじみになってまだ日も浅いがそろそろ変え時だろう。
人のいい笑顔をした中年の男に愛想笑いで返し、空を見上げた。
風は、まだ吹かない。
夏休み前。
いつもの様に路上でゲリラ的にライブをしていた。
仲間もいない。ライブハウスを借りても客も一向に増えない。
ゲリラ的にライブを開くのが、自分に出来る最高で、唯一の宣伝だった。
警察に見つかり、補導を受けそうになる。
何度、繰り返しただろう。
何度、繰り返すのだろう。
それでも叫ばずにはいられなかった。
「――――――賭けを、しないか」
胡散臭い男が話しかけたのは、夏の終わり。
いつものように、路上でゲリラライブを開いていた時。
仲間もおらず、一人で喉を潰していた時。
男は言った。
―――とあるライブハウスがある。
―――中規模のライブハウスでな、所有権は私のものなんだが。
はて、と首をかしげた。
誘いは嬉しい。より多くの人に声を届けたいという夢もある。
だがそれならば賭けと言うのはなんだろうか?
男は構わずに続ける。
―――いつの頃からか、性質の悪い連中のたまり場になってしまってな。
―――そいつらを何とか出来たなら、そこの使用権は君に渡そう。
は?
バカだろうか、この男は。
耳を疑った。何を言っているんだ?
そんな都合のいい話がある訳ないじゃないか。
普通ならそれこそ警察の介入でもしてしまえばいい。
道端でみっともなく声を張り上げてる一介のロッカー未満のガキに言うセリフじゃないだろう。
男は、笑う。
―――だから、賭けだよ。
―――君があのライブハウスを立て直せるなら、あそこは君の城だ。
―――警察には勿論要請するつもりだったがね。
―――道端でみっともなく歌う君を見て、こう言う余興もいいかと思った、それだけだよ。
―――期日もある。10日後に通報する予定だ。それまでに片がつかない場合、介入されるだけの事。
ようは、遊びか。
俺の音楽は、まだ。
炉端の石を蹴り飛ばして家まで帰れるかどうか、それほどの価値もない。
――――――分かった。
ゆっくりと顔を上げる。
それなら俺が、ぶっ潰す。
そこから、のし上がってやる。
車のライトが流れる道の脇で、ふぅ、と小さく息をついた。
「高校は出ときなさい」
そう言われたのを思い出す。
だがこの現実はどうだろうか。
自分の夢の為とは言え、出席日数も全く足りない。
とうとう2年になってからは月に一度クラスメイトと顔を合わせるかどうか、と言う始末だ。
出席日数に関係なく、進級できる。
そう気付いたのは二年になってから。
一年の頃、足りなくて留年するかとビクビクしていたものの、蓋を開けてみれば何の問題もなく進級していた。
そうなってしまえば、後はずるずると流れていくだけ。
所詮人間だ。楽な方がいい。
興味のない勉強よりも、一歩ずつでも夢に近づける方を選んでしまう。
警備員からコーヒーを受け取り、礼を言う。
顔なじみになってまだ日も浅いがそろそろ変え時だろう。
人のいい笑顔をした中年の男に愛想笑いで返し、空を見上げた。
風は、まだ吹かない。
夏休み前。
いつもの様に路上でゲリラ的にライブをしていた。
仲間もいない。ライブハウスを借りても客も一向に増えない。
ゲリラ的にライブを開くのが、自分に出来る最高で、唯一の宣伝だった。
警察に見つかり、補導を受けそうになる。
何度、繰り返しただろう。
何度、繰り返すのだろう。
それでも叫ばずにはいられなかった。
「――――――賭けを、しないか」
胡散臭い男が話しかけたのは、夏の終わり。
いつものように、路上でゲリラライブを開いていた時。
仲間もおらず、一人で喉を潰していた時。
男は言った。
―――とあるライブハウスがある。
―――中規模のライブハウスでな、所有権は私のものなんだが。
はて、と首をかしげた。
誘いは嬉しい。より多くの人に声を届けたいという夢もある。
だがそれならば賭けと言うのはなんだろうか?
男は構わずに続ける。
―――いつの頃からか、性質の悪い連中のたまり場になってしまってな。
―――そいつらを何とか出来たなら、そこの使用権は君に渡そう。
は?
バカだろうか、この男は。
耳を疑った。何を言っているんだ?
そんな都合のいい話がある訳ないじゃないか。
普通ならそれこそ警察の介入でもしてしまえばいい。
道端でみっともなく声を張り上げてる一介のロッカー未満のガキに言うセリフじゃないだろう。
男は、笑う。
―――だから、賭けだよ。
―――君があのライブハウスを立て直せるなら、あそこは君の城だ。
―――警察には勿論要請するつもりだったがね。
―――道端でみっともなく歌う君を見て、こう言う余興もいいかと思った、それだけだよ。
―――期日もある。10日後に通報する予定だ。それまでに片がつかない場合、介入されるだけの事。
ようは、遊びか。
俺の音楽は、まだ。
炉端の石を蹴り飛ばして家まで帰れるかどうか、それほどの価値もない。
――――――分かった。
ゆっくりと顔を上げる。
それなら俺が、ぶっ潰す。
そこから、のし上がってやる。
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